第5章 互いが住む世界
響也side
千明を連れ海を出た後、水族館に来た。
初めて来たのか駐車場に着いただけで目を輝かせていた。
先程の海もそうだったのか、幼い頃連れてきてもらったことがないのだろうか。
「なぁなぁ!見ろよこれ!でっけぇ水槽!」
周りの子供よりはしゃいでいる。
目を輝かせながら水槽を見つめる千明を見て、守りたくなった。
本当は物凄く素直で優しい子なんだろう。
初めて会った時は生意気な悪ガキだと思ってたが。
今思えば、ただの強がりで自分の感情に蓋をして我慢していたように感じる。
そうせざるを得なかったのだろう。
「お前可愛いなぁ。」
ペンギンやラッコ、アザラシを見て写真を撮っている。
動物と子供が好きなんだろうか。
連れてきて正解だった。
「佐野?お前楽しんでる?」
「あぁ、楽しいよ。」
千明の幸せそうな表情を見てるだけで満足だ。