第4章 1歩ずつ
千明side
いつも通り晩御飯の支度をしていると玄関がガチャリと音を立てた。
時刻は19時。
珍しく佐野が早い時間に帰ってきた。
玄関に続く廊下の扉を開け「おかえり」と声をかけると佐野が力強く抱きついてきた。
「ちょ、佐野?」
「ただいま。」
「……おかえり。今日早かったな。」
どうやら明日から2日間休みを貰ったらしい。
確かに働きすぎだから心配だった。
「それでさ……」
久しぶりに一緒に食べる晩御飯は美味しかった。
こうやって顔を見あって話すのも楽しく感じた。
凄く幸せだ。
「なぁ千明。明日、どこか出かけないか?」
「え……いいけど。」
これってデートのお誘いか?
もちろん行きたい。
でも佐野にはしっかり休んで欲しい。
「家でゆっくり休みなよ。身体疲れてるだろ。」
「疲れてはいるが、お前とどこか行けるなら疲れが取れる。それに2日間も休みがあるんだ。」
「……わかった。」
お誘いを受けたものの……
着ていく服がねぇよ!!!
1人部屋で服を出して1着1着体に当てて服装を考えていた。
俺、デートってどんな服着てたっけ?
明日は暑いっていうし、涼しい格好がいいだろ?
それに動きやすい格好がいいだろ?
靴も普段使い用しかない……
髪もセットしなきゃ……
久しぶりのこの高揚した気分は先輩と初めてデートに行った時以来だ。
佐野、どんな格好すんのかな?
あまりイメージつかないなぁ。
デートか……
好きな人とデート……
「デートかぁぁぁ!」
嬉しくなって持っていた服を抱きしめベッドにダイブしてしまう。
「ふふ//」
明日、告白の返事をしよう。
ちゃんと好きだって伝えよう。
そう心に決め、今日は早く寝ることにした。