第29章 川品中央総合病院
椛「??」
医師「今回の怪我の件も含めて、もし今後何か困った事があったらどうぞ遠慮なく連絡してきてくださいね。
ご主人も!
本当にありがとうございました!
お大事になさってください。」
医師の言葉に心が温かくなる。
今回、良くしてもらったのは、『むしろこちらの方だ』、と椛は思う。
救急だと、傷の手当てを真っ先に優先する為、本来だと傷跡が残る残らないだの、現場は優先している暇も余裕もない。
そんな中、今回担当してくれた女性医師は傷が治った後の事まで考えて、救急で運ばれてきた椛の意識が無い中、そこまで親身に処置に当たってくれた。
外傷性救急の見識があった椛には、その医師の意図がちゃんと伝わっていた。
椛「こちらこそ、御礼を言うのは私の方です。
担当して下さった先生が貴方の様な方で、本当に良かったです。
先生もお大事にして下さい。」
椛は医師に言葉をかけると、軽く手を振って安室と共に事情聴取に向かった。
警察官が固まっている近くまで来ると、何やら見知った顔が…
目暮警部「また君かね…」
目暮は近づいてきた人物の顔を確認すると、少し呆れた表情をしていた。
椛「ご無沙汰してます。目暮警部。」
目暮警部「ご無沙汰と言う程でも無いだろ…
全く…
毛利やコナン君の様にならないでほしいと言ったのに…」
椛「あははは〜…」
乾いた笑いで、目暮の言葉を受け流す。