第41章 親友との縁故
椛(やっぱりそうだよね…)
意識があった男性の方の応急処置をしていた、雄二、敦子、加奈は先に博士達と合流していたのか既にその3人の姿も輪の中にあった。
山村刑事「で?あなた方ですか?
熊を銃で撃ってくれちゃったお二人は〜?」
その声に、皆の視線が一斉に熊を撃った沖矢と椛に向けられる。
椛(あぁ…
咄嗟の事といえ、いくら何でもやっぱり、まずかっただろうな〜…
それにしてもこの人…
なんか喋り方変…
群馬ってこんな方言あったっけ?)
隣に立つ沖矢を見上げると、いたって涼しい顔をしていた。
そもそも沖矢の時の顔は表情の変化が乏しいので、唯の無表情かもしれないが…
山村刑事「クレー射撃用の銃で熊を撃ち殺しちゃうなんて、前代未聞ですよ〜!
流石に問題ですよこれは…
どうしてくれちゃうんですかぁ〜!」
怪訝そうな、それでいて面倒くさそうな表情で言葉を放つ警察官に皆は少し不信感を抱くが…
雄二「どうしてくれちゃうんじゃないですよ!!
あんた何言ってるんだよ!?
あの時、人が熊に襲われてたんだぞ!?」
加奈「そうよ!
あの時、昴さんと、椛さんが熊を撃って止めてなければ、あの助かった男性だって、あのまま間違いなく熊に襲われてたのよ!
それに、それだけじゃない!
あのままだったら、もっともっと犠牲者が増えていたかも知れないのよ!?」
敦子「現に1人はもう亡くなってたしね…」
山村刑事「まぁ、それはそうかも知れないですけどね〜…」