第41章 親友との縁故
椛「ダメだ…全然血が止まらない…」
沖矢「とにかく救急隊が来るまで、止血と圧迫は続けましょう!」
篤「AED!持ってきました!!」
射撃場に設置されていたAEDを篤が手に持ち駆け寄ってくる。
急いでAEDを男性の体にセットすると、AEDからアナウンスが流れる。
そして充電が完了すると…
篤「離れてください!!」
「バシュン!!」
AEDが作動し、男の身体が大きくしなる。
どうやら心拍は、微弱ながら戻ってきたようだ。
救急車が到着すると、すぐさま男性を救急隊に引き渡す。
サイレンと共にそのまま急ぎ、病院へ向かって行った。
椛「あの方…助かるかしら…」
篤「僕らが出来ることはやりましたし…
あとは祈りましょう。」
椛「そうですね…」
沖矢「…」
走り去って行った救急車を見送ると、3人の元に警察官が近づいて来た。
警察官「被害者の救護、ご協力頂きまして誠にありがとうございました。
お疲れの所大変申し訳ないですが、このままお話し伺ってもよろしいですか?」
警察もちょうど先程到着していて、博士が主に警察に状況を説明している最中のようだった。
警察官に声をかけられ、そこに合流しようと、博士達の元に向かう沖矢と椛と篤。
梢「ねぇ、さっきの傷跡見た?」コソコソ
向かいながら、前を歩く篤に気付かれないよう…
沖矢に小声で話しかける。
彼女の言葉を確認すると、意図が伝わったのか、沖矢は小さく頷いた。