第41章 親友との縁故
姿を現した熊に対してすぐに1発、銃声が響き渡る。
胸に命中するが、急所を外したのか勢いそのまま駆けてくる。
「バーーーン!!」
続けてもう1発胸に撃ち込むと、肺を貫通する。
苦しそうにゼイゼイと数回呼吸を繰り返したあと、吐血し…
そのまま「ドサリ」と大きな音を立てて倒れ込んだ。
先程とは違う方向から来た銃声に、コナンは音がした方に顔を向ける。
そこにはクレー銃を構えていた椛の姿。
コナン(椛さん…)
再び蹴り損じたサッカーボールを手に取り、博士に預けると、気持ちをすぐに切り替えて、クマが倒れた方へ目を向けた。
倒れた男性の元に向かう者。
警察に連絡する者。
救急車を呼ぶ者。
そしてどうやら…
既に男性の連れが、熊に襲われていたらしく、男性の話を元に、現場に向かうと…
既に生き絶えた男性と、瀕死の状態で横たわっていた男性がそれぞれ発見された。
救急車が来るまで、応急処置を大人達で施す。
瀕死の状態の男性は出血が酷く、かなり危ない状態だ。
沖矢が胸骨圧迫、心配蘇生を続け、椛は1番出血が酷い脚の止血をするが…
椛(えっ?
この人…
この脚の傷…
銃痕?)
脇腹にも血が滲んでいたので、服を破って確認するが…
椛(断定はできないけど…
やっぱりこれって…)
熊に襲われて出来た傷かと思ったが…
どうやら不穏な嫌な汗が背中をつたう…
だがそれは今考えても答えは出ない。
とにかく今直ぐ1番に、成すべき事を考える。