第32章 【エピローグ】
サンクチュアリの森――それはかつての名前で、今では大勢の人々からグレイン研究所と呼ばれている。
数年前、長い間空き家になっていたグレイン家の屋敷を買い取り、研究所として使えるよう改築し、今では多くの研究員がここで働いている。
この研究所では、主に宝石やパワーストーンの力を以て自然界に存在する『マナ』を『素精霊』の力に変換し、その力を石に封じ込めることでその加護を受けられるよう研究がなされていた。
その研究所の所長であるクリス・マルフォイは、珍しく休みを得た親友、ハーマイオニー・ウィーズリーと一緒に午後のティータイムを楽しんでいた。
「――それで聞いてよ!ロンったらなんて言ったと思う?「あ、ごめん忘れてた」ってその一言よ!?結婚して10年以上経つのに、どうして結婚記念日が覚えられないの!?10回以上も繰り返してたらトロールでも覚えられるわよ!!」
ハーマイオニーは怒り心頭に達し、クリスに対しロンへの愚痴を一気にまくし立てた。それを聞きながら、クリスは苦笑いをしつつ、ロンへのフォローを入れた。
「まあ、結婚記念日を忘れるのはちょっとだけれど……ロンも忙しいんだろう?毎日W・W・Wでへとへとになるまで働いて、家事も全部こなしてるって言うじゃないか」
そう、ロンはハリーと一緒に闇払いになる為、研修を受けていたのだが、未だ収まることを知らない純血主義者や闇の眷属たちとの戦いに心を病んでしまったのだ。
そこでハーマイオニーの勧めもあって、兄のジョージが経営する『W・W・W』で働くことになったのだった。
それから数年が経ち、娘のローズが生まれるのと時を同じくして、なんとハーマイオニーが魔法省大臣に選ばれたのだ。
それで激務をこなすハーマイオニーに代わり、ロンが仕事と家事と育児の全てを担っているらしい。