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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第31章 【贖罪の旅】


「……分かった、それじゃあ目を閉じて」
「あぁ、すまないな」

 ハリーに2度もこんな役目を押し付けて申し訳ない気持ちもある。だが自分が居る限り、世界に真の平和は訪れないだろう。だから、このままここで死ぬのが一番良い。
 クリスは目を閉じたまま、最期の時を待った。死ぬ瞬間、人間は体重が21グラム減ると言うが本当だろうか。死んだら、またあの場所でセドリックに出会うことは出来るだろうか。

 そんなことを考えてじっとしているクリスのおでこに、突然ビシッ!という音と共に鋭いデコピンが飛んできて、クリスは咄嗟に目を開けた。

「痛っ!い、いきなり何するんだ!?」
「君ってさ、時々ものすごい後ろ向きな性格になるよね」
「そ、そんなこと……」

 ない、とは言えない。今が正にその時だと言いたげに、ハリーは「ほらね」と返した。

「大体さ、人間誰だって良い面と悪い面の両方を持ってるんだ。必要なのはどう言う選択をするか、だろう?」
「でもヴォルデ……」
「だ・か・ら!そんな後ろ向きな事ばっかり考えてないで、もっと面白い事を考えようよ!例えば……僕とシリウスと君と3人で暮らす家を探しに行くとか」

 ハリーのその言葉1つで、クリスは目の前に燦々とした太陽が差し込んだ様に気分が高揚した。
 そうだった、ヴォルデモートを倒した今、ずっと夢見ていた3人暮らしが出来るのだ!新しい家、新しい家具、新しい食器に、新しい部屋。そして何と言っても、新しい家族!その全てにクリスは胸が躍った。

「……本当だ、なんだか楽しい気持ちになって来た」
「そうだよ!ほら、気持ちが前向きになって来た!」
「本当だ!あはは、自分で言うのもなんだが、存外私も単純だな」

 気分が明るくなりすぎて、その場で踊り出しそうなクリスに向かって、ハリーは手を差し出した。

「それじゃあ帰ろうクリス。みんなの所に」
「うん、帰ろう!」

 2人は手を取り合うと、草の香りがする清々しい空気と一緒にホグワーツへと帰って行った。


――ここで、『僕』の物語は終わる
   ここから始まるのは『君』の物語だ
     さあ、怖がらずに一歩を踏み出してみて――

 From Harry Potter
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