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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第29章 【帰らぬ人】


 姿現し特有のゴム管を通る感覚が終わったかと思うと、ハリーは慎重に、辺りに敵がいないかどうか確かめながら透明マントを取った。
 するとまず最初に、ロンが感激の笑顔と共に大きな声を上げた。

「ハリー!?本当にハリーなんだよね!?」
「うん、朝一番にオリバンダーさんから杖を貰って、チャーリーのドラゴンに送ってもらったんだ!」
「そんな事よりもポッター!いったいクリスに何があったんだ!!?」
「それも合わせて説明するよ」

 ドラコは怒り……と言うより極度の心配からか、興奮し両目が血走っていた。当たり前だ、クリスの為だけに長年純血主義を唱えていた家名を裏切ったのだから、クリスにかける想いもひとしおだろう。

 ハリーはそんなドラコにも分かりやすいよう、なるべく丁寧にナギニを通して“視た”ことや、叫びの館で見たスネイプの記憶、そして白い不思議な空間でダンブルドアと話したことを3人に説明した。

「つまり、ハリーは『あの人』の分霊箱として、1度は殺されなきゃいけなかったってこと?」
「うん。もう17歳を超えているけど、それとは別にアイツが復活する時に僕の母親の血を入れたから、呪いや因果関係が複雑に絡みあっていたみたいなんだ」

 でもこれもダンブルドアの考察に過ぎないんだけどね、とハリーは付け足した。その話を聞いていたドラコはイライラと足踏みをしながらハリーに問いかけた。

「それで!クリスはどうなったんだ!!?」
「クリスは今、ヴォルデモートに体を乗っ取られているんだ。丁度僕らが1年生の時にクィレルの体を乗っ取っていたみたいに」
「ちょっと待って!それじゃあクリスを助け出すことは……」

 ネビルの言葉に、ハリーもロンも口を閉ざした。1年生の時、体を乗っ取られたクィレルはヴォルデモートに操られるまま死を遂げた。と言うことはクリスも……。
 長い沈黙が続く中、ロンがふと別の話しをハリーに振った。

「ところでハリー、どうして姿現しが出来たの?まさかそれも新しい杖の力!!?」
「違うよ、正直僕も出来るかは分からなかったんだ。だけどホグワーツ城がここまで壊されていて、結界ももう機能してなさそうだったから、一か八か試してみたんだ」
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