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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第22章 【DA再び】


「マルフォイ!?ああ~ん、やっぱり来てくれたのね!?」
「マ、マートル!!?」
「貴方ならきっと助けに来てくれるって信じてたのよ。私、怖くって怖くって、さっきからずっと涙が止まらないの~」
「逆に聞きたいよ、あいつが泣いてない時なんてあった?」

 ロンがクリスにそう耳打ちしたので、クリスは吹き出しそうになるのを必死に堪えた。
 マートルは涙と鼻水を垂らしながら、ドラコの胸に甘えてきた。相当冷たかったからか、それとも相当嫌だったのか、はたまた両方だったのかは分からないが、ドラコはマートルからグッと身を引いた。

「すまないが、僕らには今すぐ秘密の部屋に行く必要があるんだ」
「秘密の部屋?あ~ぁ、数年前にアンタたちが行ったあの場所でしょう?でも今はバジリスクもいないし、何の用があるの?」
「そのバジリスクの牙が必要なんだ」
「な~んだ、てっきり私を助けに来てくれたものだとばかり思っていたけど、そういう事ね。良いわよ良いわよ、勝手にして頂戴。どうせ戦闘が激化してホグワーツが瓦礫の山になっても、私は死ねないしね!」

 そう言ってマートルはお気に入りのトイレに飛び込み、パイプのU字のところでまためそめそ泣き始めた。
 マートルとドラコの距離の近さに、ロンとハーマイオニーは驚く……というより、まさに鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

「あなた達、知り合いだったの!?」
「まあ……昨年少し世話になっただけだ」

 耐え切れずハーマイオニーが訊ねると、ドラコはぶっきらぼうにそう答えた。すると先ほどマートルが突っこんでいったトイレから、ごぼごぼと水が溢れてきた。
 それを見た4人は、今そんな話をしている場合ではないと気付いた。
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