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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第22章 【DA再び】


「よし、それじゃあ私が扉を開けるから……って、忘れてた。ここのパイプは滑るし、かなり傾斜があるから、箒が無いと帰って来られなくなるんだった」
「へえ、つまり箒があれば問題ないんだろう?」

 何か秘策があるのか、ドラコはやおら背筋を伸ばし、自信満々といった様子で扉に向かって呪文を唱えた。

「――アクシオ、ニンバス2001!!」

 するとどうだろう、マートルの鳴き声だけが響いていたトイレに向かって、何かがもの凄いすスピードで風を切ってこちらに向かって来る音が聞こえてきた。
 そしてそれはマートルのトイレの扉をぶち破り、ドラコの目の前で止まった。

「そ、それって、ハリーが三大魔法学校対抗試合で見せた……」
「おや?ポッターに出来ることが、僕には出来ないとでも思ったのかい?」

 ニンバスシリーズの中でも、黒くて高級感のある2001を目の前に、ドラコは自慢げな顔でそれを手に取るとクリスの肩を掴んだ。
 またこれ見よがしに……とクリスは呆れたが、突っ込むより仕事が先だ。
 2年生の時と同じく蛇口を本物の蛇に見立てると、それにに話しかけるようにパーセルタングで話しかけた。

「――開け、秘密の扉よ。汝が我に正しき姿を現したまえ」

 するとまばゆい光が視界を遮り、次にゴゴゴゴという音と共に鏡台が二つに割れた。
 するとそこには、ホグワーツの中でも1番か2番目に大きいであろう巨大なパイプで、それはぽっかりと大きな口を開けてクリス達を待ち構えていた。
 まずドラコが入り、次にクリスが入ろうとした直前に、ロンとハーマイオニーに声をかけた。

「それじゃあ私とドラコで、バジリスクの牙を取って来るよ。2人は残った分霊箱を探してくれ」

 それだけ言い残すと、クリスはドラコを追って真っ暗なパイプの中を滑って消えていってしまった。
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