第22章 【DA再び】
「頼む、ルーナ。君の知恵で、失われた髪飾りを探してきてくれ」
「うん、分かった」
「わ、私も一緒に探すわ。これでもレイブンクロー寮の監督生よ」
「僕も一緒に探すよ、僕だって君たちの役に立ちたいんだ!」
ルーナにだけお願いしたつもりが、パドマやネビルも声を上げてくれた。すると部屋にいた他のDAメンバー達も、同じように我も我もと声を上げた。
この部屋の外では、もう戦闘が始まっている。この部屋を出たら、ただの怪我だけでは済まないかもしれない。
それでも賛同する声の多さに、クリスは純粋に感動し、胸が熱くなった。
「それじゃあ、私たちは別の探し物があるからもう行くわ」
「good luck!幸運を祈ってるよ」
「ああ、僕らもだ!」
そう言って扉を開けると、そこは天文学の授業を行う塔の天辺だった。
……おかしい、必要の部屋は8階の廊下に遭ったはずだ。もしかしたらキメラとの激しい一戦で、必要の部屋が正常に機能しなくなったのかもしれない。
不安を覚えながらホグワーツ城の周りをぐるりと見回すと、夕闇の中、城を守る結界が半分ほど破られ、そこから次々と『死喰い人』やディメンター、他にも巨人達がホグワーツに侵入しようとしていた。
それに対し、沢山の先生方が得意魔法を用いて敵を防いでいるのが見えた。
クリスはその光景を目にしながら、吹く風に身をさらした。
「いつまでもこうしてられないわ、敵と鉢合わせる前に早く3階のマートルのトイレに行きましょう」
「ああ、そうだな」
参戦したい気持ちをぐっと押し込み、4人は自分たちの使命に心を傾けた。
そうして3階にあるマートルのトイレにやって来ると、マートルはお気に入りのパイプに座って、独りすすり泣いていた。
しかしドラコの顔を見るや否や、まるで彼氏に寄り添う彼女のようにドラコの胸にすり寄っていった。