第22章 【DA再び】
「なんでマルフォイがこの部屋にいるんだ!?」
「何故って?色々あってお前等に加担することになったからさ」
「嘘を吐くな!コイツは裏切るにきまってる!スネイプみたいに!!」
「そうだ!こんな奴信用出来るわけがない!!」
純血主義の、しかもその代表的と言えるマルフォイ家の人間が、「色々」なんてぼやけた理由で寝返ったなんて、到底信じられないのが普通だろう。
そんな非難の声が上がるなかで、ジニーが鶴の一声を発した。
「そうね、確かに寝返るかもしれないわね。――クリスが居なくなったら」
ジニーがケロッとしてそう言うと、一斉に非難の声は途絶え、部屋がシーンと静かになった――と思った次の瞬間、爆笑の渦が部屋を包み込んだ。
こんなことになるとは思ってもみなかったクリスとドラコは、気恥ずかしさから、一瞬だけ顔を見合わせると、お互い顔を真っ赤にしてそっぽをむいた。
いったいどこからジニーの耳に入ったのか。クリスはハーマイオニーにジト目で訴えてみたが、彼女は嬉しそうに笑いながら首を横に振った。
「違うわよ、でもマルフォイが私たちに協力する理由なんて、1つしかないじゃない」
「そこまで言うか?」
「むしろ分からない奴がいたら、天然記念物ものだよ」
あのロンにまで言われるなんて……。恥ずかしさでまごまごしていると、ディーンが甲高い口笛を吹いて囃し立ててきた。
そのうち両手を叩いて拍手する者まで現れ、耐え切れない羞恥心からドラコは耳まで真っ赤にすると、このお祭り騒ぎをやめさせようと声を張り上げた。
「おい、グレンジャー!僕たちにはもっと重大な任務があるんじゃなかったのかい!?」
「そ、そうよ!!分霊箱とバジリスクの牙だわ!!」
私としたことが目的を忘れるなんて!とハーマイオニーが慌てて、新しいカップル誕生のお祝いムードのメンバー達に向かって、ハーマイオニーが大声を張り上げて力業で主題を切り替えた。
「みんな聞いて!!実は皆にはレイブンクローゆかりの品を探して欲しいのよ。それが無いと『例のあの人』を完全に打ち滅ぼすことが出来ないの!」
「完全に打ち滅ぼすことが出来ない?」
「それってどこにあるの?」
「討ち滅ぼすってことは、どんな武器なの?」
「それが……」