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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第22章 【DA再び】


「彼なら敵陣がどこまで攻めてきているのか、それを確かめに行くって言って出て行ったわ」
「そんな危険な行為を1人で!?」
「一応は止めたさ。でも1人で行くって言って聞かなかったんだ!」
「なんで……ッ!?」

 クリスがロンに問いかけた瞬間、必要の部屋がぐらぐらと小さく揺れ、天井からパラパラと瓦礫が落ちてきた。
 物々しい雰囲気が必要の部屋の中に漂い、女子生徒が数人肩を寄せ合って震えている。
 もしかしたらこの状況を詳しく知るために、ドラコは斥候として単独で行動したのかもしれない。

「教えてくれ、ホグワーツでいったい何が起こったんだ?……!?」
「君が眠っている間に、突然カロ―兄妹が暴れ出したんだ」

 ――カロ―兄妹。そうだ、確かスネイプが校長になった時、新たに就任させた『死喰い人』の兄妹だ。恐らくパンジーがキメラを使って暴れ出したのを切っ掛けに、戦闘が始まったのだろう。
 それに合わせ、闇の陣営側も閉鎖されていた秘密の通り道や、内側からの結界を破り、続々と『死喰い人』や『吸魂鬼』を侵入させているに違いない。

「折角マクゴナガル先生が隙を見せた2人に『生ける屍の水薬』を飲ませたのに、スネイプが解毒剤を作って飲ませたのよ!」
「それでスネイプは?」
「マクゴナガル先生の攻撃を受けて、闇の魔法を使って城外に逃げたわ。多分だけれど、『例のあの人』と一緒に居るんだと思うの」

 怒りに燃えるジニーは、自分の髪の色と同じくらい顔を真っ赤にしていた。
 出会ったころは憧れのハリーの姿を見ただけで、小さく悲鳴を上げて隠れてしまうくらい恥ずかしがり屋さんだったジニーも、立派に成長し、今やDAに欠かせない一員だ。

 他の皆も、この1年弱の間に、随分勇ましくなったように見える。これならスネイプはともかくカロ―兄妹なんかに負けたりしないだろう。
 打倒カロ―兄妹とスネイプを掲げ熱くなるメンバーに向かって、ロンがおもむろに部屋の中心に立ち、皆から見えるように両手を広げた。
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