第22章 【DA再び】
「――……クリス、なあ起きろよ!良いから起きろって、クリス!!」
「シー!駄目よ、まだ寝かせておいてあげて」
ロンの歓喜の声とハーマイオニーの遠慮がちな声――それとざわざわとした話し声を耳に、クリスは怠そうに目を覚ました。
「ここは……?」
クリスが重い瞼を開くと、焼け焦げた天井と、びしょびしょに濡れた床、それと倒壊した品々を目にし、先ほどのパンジーとの戦闘を思い出した。
それだけなら何の疑問もないのだが、気付いたら笑顔のハーマイオニーとロン。それに懐かしいDAメンバーがそろっていた。
まさかこんなところで、しかも喜びに満ちた笑顔を見せるDAメンバーに再び会えるとは思ってなかった。
クリスは先ほどの戦闘とのあまりの空気の変わりように、これまで起こったことは全て夢だったんじゃないのかとすら思った。
「え?!?ど、どうして皆が!?」
「私が例のコインを使って、皆に呼びかけたのよ!必要の部屋にいるって。そうしたら続々とメンバーが集まってくれたのよ!!」
クリスはぐるりと部屋全体を見渡した。あのキメラとの戦闘がどれほど凄まじかったのかを示すように、迷路のように積み上げられていた品々はその殆ど燃えて、灰になっている。
その引き金を引いたパンジーがどこでどうしているのか気になるところではあるが、今はそんなことを考えていても詮無い事だろう。
集まったDAメンバーは在校生だけだが、ハーマイオニー曰く、これから卒業しているメンバーも続々と集まる予定らしい。
DAメンバーはいつかこんな日が来ると思って、準備してくれていたのだろう。けれどクリスには、そんな事よりも気になることがあった。
「なあ、ドラコはどうしたんだ?」
先ほど見まわした中に、ドラコの姿はなかった。不安にかられたクリスは心配で胃の中に大きな石が落っこちてきた様な気分がした。
そんなクリスの心中を思いながらも、ハーマイオニーがちょっと複雑そうな笑みを浮かべながら言った。