第10章 六年前の悪夢
森「はぁー、参ったね。実に好ましからざる事態だ。」
森は深い溜め息をつき、言葉を続けた。
森「マフィアを除く四大組織はほぼ壊滅、我々にしても幹部から準幹部級の人間が何人も行方不明になっている。太宰くんもその一人だ。」
「太宰のポンツクはともかく他の仲間は扶けなくては」
森「生きていれば、、、、ね。」
俺と広津で太宰を捜索してはいるが、全く手掛かりなし。
には太宰は必ず見つけ出すとは約束していた。
きっと彼女も兄貴が消えて不安な筈だからだ。
広津「そう云えば、、、なにか新しい手がかりを見つけたのか新品の顕微鏡を購ったようですが。」
広津の言葉で太宰との会話を思い出した、、、
彼奴は俺に伝言を伝えていたのだ。
「其奴は何処にある!」
広津「太宰殿の部屋に、、、」
「あのクソッタレ!案内しろっ!」
広津に案内され、太宰の部屋へ向かった。
広津「これですが、、、ッ!な、なにも壊さずとも、、、、ん?」
広津から受け取った顕微鏡を壁に投げつけ破壊した。
破壊した顕微鏡の中には発信機を兼ねた通信機が隠されていた。
「チッ。この発信機と同じ周波を追跡しろ。あの野郎は行方不明なんじゃねぇ。敵の攻撃を読んで態と捕まったんだ。この発信機が示す先に太宰と白麒麟がいる。」
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俺はバイクに跨り、もう一度太宰の居場所を確認する。
広津「中原殿、殿にはなんと、、、、」
「には何も云うな、彼奴は一人で戦っている。余計な心配をさせたくはねぇ。俺だけで行く。」
広津「承知した、、、お気を付けて、、、」
「あとは頼むぞ」
俺はバイクを走らせ、太宰の元へ向かった。