第10章 六年前の悪夢
バイクで走り行く中也の後ろ姿を広津は見送り、ある人物へ連絡を入れた。
相手はだ。
がポートマフィアへ加入した頃から知っている広津。
殺戮人形と呼ばれていた彼女は中也と出逢ってから少しずつ変わっていった。
彼女の変化を喜んだのは、森や紅葉だけではなく広津も同じだった。
何も云うなと中也に口止めはされたが、が中也のことを気にかけていることに気付いていた広津は迷うことなくに連絡を入れたのだ。
無線機から聞こえるのはと織田作之助のやり取り。
は無線機を切り忘れていたのだ。
"中原の元へ行ってやれ!"
"ありがとう"
が中也の元へ向かったのを確認した広津はふっと小さく笑い、森の元へ報告を入れに行った。
森「そうかい、ちゃんが、、。それで広津さんは二人をどう思う?」
広津「お似合いかと。」
広津の言葉に森も"だよねぇ〜"と何故か少し落ち込んだトーンで返事をした。
森にとっては娘のようなもの、少しずつ成長する彼女に嬉しい反面、寂しい気持ちもあったのだ。
広津はまぁまぁと森を慰めるのであった。