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綺麗な薔薇には棘がある

第10章 六年前の悪夢


が部屋を出て行くのを確認し、俺はもう一度教授眼鏡に同じ質問をした。


安吾「、、、何の話ですか、、、」

とぼけやがる教授眼鏡に俺は怒りのままに、壁を殴りつけた。

壁には大きな亀裂が走る。

「だから手前はダメなんだよ!!」

あまりの迫力に安吾も息を呑んだ。

「俺が何も知らねぇとでも思ってるのか?六年前の龍頭抗争、、、"お前ら役人がしでかしたことを"」


----六年前
龍頭抗争開始から七〇日目

「太宰!何処だ、太宰!」

太宰「ふぁー、五月蝿いなぁ」

奴の部屋へ向かえば、ふざけた目隠しをし、ソファーで寝ている太宰がいた。

「此処にいたか、太宰。首領の呼び出しがあったってのに、なに寝てやがる」

太宰「やァ中也か、おはよう。今日も君という人間に大変適したサイズをしているねぇ、実に結構。私に話かい?善いとも、今から"顕微鏡"を持ってくるからちょっと待ってね」

「俺は其処にはいねぇよ!!そんなサイズでもねぇ!!」

ふざけた事を云う太宰に俺は怒鳴り乍ら言葉を続けた。

「阿保!今外がどういう状況か判ってんのかぁ?ポートマフィア史上、、、いや、"ヨコハマ史上最悪の大抗争"だぞ!!」

太宰「そんなに怒鳴らなくても判ってるって」

太宰は目隠しをとり、静かに口を開いた。

現状、この抗争で四大組織のうち海外組織"ストレイン"の構成員の八割が死亡、"高瀬會"は頭目が暗殺されて指揮系統が瓦解。

その他の組織もほぼ壊滅的な状況であった。

憎しみと応報と疑心暗鬼が作り出した"血の狂騒曲"だと太宰は語った。

幸い、ポートマフィアは状況は著しくないものの、力はまだ保っていた。

然しいつ崩されてもおかしくはない。

それに俺は不安だった、が戦地で戦っているからだ。
は強い、然し彼女は命令であれば自身が怪我しようが、お構いなしに戦い続ける。

俺はそれが心配で堪らないのだ。

勿論、俺の仲間たちも戦地で戦っている。

本当は俺自身も戦いに出たいが、首領から禁止されているのだ。

歯痒い気持ちが俺を苛立たせた。

そんな俺に対しこの男は、、、

太宰「まぁ心配いらないよ、"全員死ねば自動的に終わる"」

「本気で云ってんのか、手前」



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