• テキストサイズ

綺麗な薔薇には棘がある

第10章 六年前の悪夢


ドォーンと大きな音と共に扉が吹き飛んだ。

コツコツと暗闇から足跡が近づいてきた。

「電話一本で俺を出前みてぇに呼び出すとはいい度胸じゃねぇか」

安吾「皆さん、席を外して下さい。」

『中也、、、ッ!』

「、、、怪我ねぇか?」

気が付けば私は中也の胸の中にいた。
いつもより覇気のない声で私の心配をしてくれる中也に私は頷き、彼の背中に手を回した。

『大丈夫、中也は、、、?怪我ない?』

「俺を誰だと思ってんだぁ?擦り傷一つねぇよ。」

『善かった、、、』

周りに人がいることなんて忘れていた。
中也の温もりに安心しきっていたのだった、、、。

少し気まずそうに安吾さんは咳払いをし、言葉を続けた。

安吾「此処は政府の施設ですよ。こんなことをしてタダで済むと思っているんですか?」

「タダで済むかどうかを決めるのは俺だ、手前じゃねぇ。」

安吾「貴方は僕に借りがある筈ですよ」

「それは手前の方だろ?、悪りぃが少し外で待っててくれ。教授眼鏡と話がある。」

『判った、、、でも、、、』

「判ってる、別に教授眼鏡をどうこうすることはしねぇよ。」

私の云いたいことはお見通しのようだ。

中也は微笑み私の頭をポンポンと撫で乍ら、すぐ終わるから待っててくれと伝えてきた。

少し胸騒ぎがしたものの私は頷き、部屋の外で待つことにした、、、。





/ 257ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp