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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第25章 懐玉







そこからは崖を転がり落ちる様に早かった。
協力者である孔時雨が盤星教に関係者を集めてくれた。
五条袈裟に身を包んだ私は彼の後をついて、壇上の袖幕へと案内される。

表向きな居抜きみたいにしているらしいが、金と呪いを集められればなんでもよかった。

「本当にその格好で出るのか?」
「いいだろう?ハッタリは大事だ」

嘘の団体を作る上で、信用を得やすいお坊さんの袈裟を着るのがいいと思った。
それともう一つ。
これを着ることで、私は悟のように何でも持ってるような存在に慣れると思った。
悟を近くで感じたかった。

もし、私が悟だったらこんな世界でも信じていられただろう。
こんな馬鹿げた理想を悟と一緒に笑って、指先から滑り落ちていく全てを惜しみながらも尊ぶことができるくらい強くあれただろう。

だけど、それができなかったから。
私は私が大切にしたいと思うものをこの両手で守れるだけでいい。

もし、悟が私のような考え方をしていたら、何かに囚われて身動きが取れないようだったら、私の助けを求めて必要としていたら、きっと私は命からがらに手を差し伸べていただろう。
自分の命なて惜しくないと呟きながら。
悟は、私のたった一人の親友だから。

だが、そんなの「たられば」の「もしも」の話でしかない。
こんなものに意味なんてない。

悟は、一人で最強だから。
彼ならきっと一人でも世界を救うことができる、変えることができる。
その世界に私はいない、いらない。
私は私の選んだ道で君になりたくて、君になるために、君のような存在になりたいから、自分にもハッタリをかけた。

悟の事が大好きだから。

「よく見ていなさい」

袖幕にいた美々子と菜々子の頭を撫でる。
嬉しそうに笑う彼女のたちの笑顔を守るために、私は壇上へと足を踏み出した。



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