第3章 受胎
クソ生意気でクソ真面目で強気で頑固で口が悪くてブラコンで、でも内面は泣き虫で弱虫で人の気持ちを理解しようとする優しい奴だってことはもう十分に知っている。
誰かの望む自分を演じるならさ、。
僕の前では自身を演じてみせてよ。
本当の自分を曝け出しなよ。
それが僕を殺害する事なら、それでいいし。
「は僕だけにムカついていればいいよ。僕だけに殺意を向ければいい」
「さっきも同じこと言ってたけどさ。なんでそんなこと言うんだ。こんな事聞く私も私だけど」
「ん~、なんでだろう。僕もわかんないや。ただ、ちょっと楽しいんだよね」
僕も意地が悪いね。
オマエに僕の思っている本当のことを言わないんだから。
僕のこの本音は絶対にオマエには聞かせてやらない。
僕の中だけに大切にしまっておくよ。
クスクス笑ってそう言えば、は怪訝な顔をした。
きっと失礼な事を考えているに違いない。