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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第3章 受胎






僕の言葉が届いたのかはわからないけど、は涙を流しながら、堰を切ったように話し出した。
紛れもない、の本音。
彼女は彼女なりに、頑張っていた。
第三者が望む夏油を演じていた。
だが、誰もそれを認めようとはしなかった。
彼女の肩書は、どうしたって他の人間からすればそうでしかない。

どんなに優等生を演じようと、どんなにいい子を演じようと、その頑張りは肩書によって消されてしまう。
はただ自分を見てほしかっただけだった。
ちゃんと夏油として、そこにいる存在として見てもらいたかっただけ。
彼女の願望を叶えるために彼女は彼等の言葉を受け入れ演じ、失敗した。

全てを吐き出したは、一気に静かになった。
ポタポタと零れる涙は、抱きしめているクッションにシミを作る。

何が間違いで何が正しいのかなんて、僕にはわからないしわかりたくもないし、そもそも過ぎさったことに対してとやかく言うつもりはないけど。
それでも一つだけ言えることがあるとしたら。

「誰かのために演じること、やめればよかったのに。そうすれば今頃そうやって悩んで傷つくことも無かったんじゃない?」

それしかないだろう。
今、が誰かの望むを演じているとは思えない。
それが素なのだとしたら、それこそが一番い方法だったろうに。
まぁ、今だからこそ言える事だけど。



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