第23章 本音
「僕がこんなに誰かに本気になるなんてありえないって思った。でも日に日に気持ちは大きくなるし、なのに本命に手が出せなくて容姿の違う女を抱いて欲を発散させようとするし」
こいつはさっきから、何を言っているんだろう。
何が、言いたいんだろう。
「違う女抱いてんのに、頭の中ずっとオマエのことばっか考えるし、重症だと思わない?」
「……さぁ」
「僕以外の男に抱かれてるって知った時はさアイツら殺しても罪に問われないんじゃないかって思ったし、ぶっちゃけ真面目に考えてた」
「それはやめろ。普通に呪詛師案件だわ」
「ねぇ、。本当に気づかない?僕がオマエに抱く気持ち。何もわからない?」
ずっと上を見ていた五条悟が、ゆっくりと私を見た。
サングラス越しでちゃんとは見えないけど、声色からでも分かる。
五条悟が私をどう思っているか。
ここまで聞いて分からないほど私は鈍感じゃない。
でもここで私の気持ちを言ってもいいか悩んでしまった。
流されているって思われたくないし、ここで言ってしまったら本当か嘘か分からなくなるのも嫌だった。
そんな風に悩んでいる私の身体は、五条悟の腕に包まれた。
五条悟の胸に顔がぴったりとくっつく。
聞こえる男の心臓は驚くほどに速く大きく脈を打っていて、嘘だろ、五条悟の癖にこんなに緊張してんのかって思って顔をあげたら、少しずれたサングラスの奥の瞳と目が合った。
少しだけ真っ赤な色に染まる頬に脈の速い心臓に私もつられて顔が赤く染まる。