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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第23章 本音








鍵穴に針金を通すため、腰を下ろししゃがみ込む。
ここの鍵穴の形状は既に頭の中に入ってるからすぐに開くはず。
そう思っていたら、いきなり扉が開いて思い切り頭をぶつけた。

「~~~っ!!」

額を抑え床に転がる。
思った以上に痛くて涙が目じりに溜まる。

「何してんの?」

そんな私の姿を見た五条悟が呆れた声で話しかけてきた。

「ピッキング……」

褒められたことではないけど、素直にそう言えば五条悟は一瞬の間の後、大きな声で笑った。
え、何がおかしいんだ。
それが分からずに、私はただただ五条悟を、見つめる。
昼間とは違い、男の目隠しはマスクではなくサングラスだった。

「入りなよ。コーヒーでいいよね」
「別になんでもいいよ。そこまで気を遣わなくても」

驚くほど私たちはいつも通りだった。
もっと遠慮がちな感じになると想像していたのに。
ソファに座りしばらくすれば二つのマグカップを持った五条悟が隣に腰を掛けた。
淹れたばかりのインスタントコーヒーからは湯気がゆらゆらと揺れる。

静かな時間だけが流れて、横目で五条悟を見れば男は顎に手を添えて上の方を見ていた。
何か考え事をしているようなそんな雰囲気を感じたけど、一体なんなんだろう。

五条悟の家に来てから既に5分以上の時間が経っているけど、部屋に入る時以来私達は一言も発していない。
いや、マジでなんのために私ここにいんの?
気まず過ぎて早く寮に戻りたい。






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