第23章 本音
私は軽く息を吐いて。
「みんなで食った方が、飯は美味いんだろ?だったら一緒に食べようよ」
以前そう言ったのはオマエらだ。
一人で食べても寂しいだけだって私に教えてくれたじゃないか。
そう言えば、彼らは目を大きくしそして白い歯を見せて笑った。
「たしかにそうだな。みんなで食うか」
「しゃけっ」
「小皿持ってくる!!」
「虎杖、取り分け用のスプーンも持ってきてくれ」
「野薔薇もそれでいいだろ?」
「まぁ、がそう言うなら……」
禪院真希、狗巻棘、虎杖、伏黒、パンダ、野薔薇が順番に口を動かした。
私も笑みを零し、椅子に座った。
その後はみんなでどうでもいい話とか私が寝ている間に起きたクソくだらない事件の話しとか沢山して食堂はずっとうるさい笑い声に包まれた。
誰ひとり、あの後の事を聞く者はいなくてそれがすごい嬉しかった。
「この後、買い物行くけども行く?」
全ての飯を完食し片づけをしていると、野薔薇が少しだけ遠慮がちに聞いてきた。
体調は戻ったとは言え、まだ本調子ではない私の事を気遣ったのだろう。
「行くよ。久しぶりに外に出たいし」
でも気遣う必要はない。
私は本当に元気になったから。
もう何も怖がることもないし。
「じゃあ、決まりね!!」
花が咲いた様な笑顔を向ける野薔薇。
なんだよ、それ。
かわいいじゃん。
「虎杖、伏黒!!アンタらも一緒に行くわよ」
「えぇ⁉俺、今日ゲームしたいんだけど!!」
「俺も読みかけの小説を読みたい」
「馬鹿ね。が買い物に行くって言うのよ?誰がの荷物を持つのよ」
「……わかったよ。行くよ」
「ついでに私の荷物も持ちなさい」
「それが狙いか」
文句を言いながらも虎杖も伏黒も買い物に付き合ってくれるらしい。