第23章 本音
――夏油side――
「いや、だから消化にいいもんを持ってこいって」
「文句を言うんじゃないわよ。せっかく作ってやってんだから」
2日間、私は寝ては食べて寝ては食べてをくり返し、その結果体調は随分と回復した。
家入硝子のおかげで傷だらけの身体は綺麗になっていて、傷一つ残らなくてよかったと安心した。
そして私は今、食堂でお昼ご飯を食べているのだが目の前にあるのは脂っこい物ばかり。
というのも、私のことを心配した同級生や2年どもが私の体調回復記念と称して飯を作ってくれたのだが、そのほとんどが重い飯ばっかり。
牛丼、かつ丼、から揚げ、ラーメン、麻婆豆腐、ピザ……。
なんでほとんどが炭水化物なんだよ。
話し合えよ、担当を。
というツッコミをしながら、それでも私の為に作ってくれたと言うのなら食べない訳にもいかない。
「オマエらも食えよ」
「駄目。あんたが全部食べるの」
「私はフードファイターか。無理だわ、こんなん。みんなで食おうよ」
どうしても私一人に食べさせたい野薔薇。
オマエはこの量を一人で食えるのか、食えないだろう。
これだけあればちょっとしたバイキングだよ。