第23章 本音
2日後。
硝子から遺体の解剖結果が伝えられた。
それを聞いて思わず笑ってしまった。
撃破したのがまさかのまさかだとは。
さて、僕は僕の仕事もやりますか。
スマホを取り出し歌姫に電話をする。
歌姫の進行状況を共有しとかないとね。
何度かコールが鳴り、歌姫が電話に出る。
「あ、歌姫?僕だけど」
≪……何?何か用?≫
「聞いてよ~歌姫~。この前一年が担当した任務なんだけどさ。少年院に現れた特級がまた現れてさ。宿儺の指をまた取り込んでたんだよね。しかもさ、それだけじゃなくてもう2体の特級も現れたんだよ」
≪そうなの?それは初めて聞く情報だわ≫
「いやぁ~。指の呪霊だけじゃなくってさ、その2体の遺体を調べてビックリ!!なんと例のブツの受肉体だったの。特級相当を各個撃破!!今年の一年は豊作だね」
そう言いながら僕はテーブルの上にあったコーヒーに砂糖を何個か入れる。
甘くなったコーヒーを喉に通し潤す。
「僕の指導者としての腕がいいのかな」
軽く歌姫にマウントを取った。
すると、機嫌の悪そうな歌姫の声が機械越しに聞こえてくる。
≪オフの日にアンタと長話したくないのよね。用件は飲み会の幹事の件でしょ≫
「どう?"目星はついた"?」
「"全然"。私含め、皆忙しいの。どうする?"学生にも"声かけてみる?」
「僕、下戸だからノンアルでも構わないよ。"引き続き"声がけよろしく」
話しが噛み合ってないようで噛み合ってる会話をする。
歌姫のところも目星はない、か……。
歌姫の周りは何が聞いているか分からないからな。
内通者が学生ってのは考えたくないね。