第23章 本音
「夏油傑を殺しておいてがどれだけ傷ついているか」
「……黙れよ。汚え口で傑との名前を呼ぶな。あいつらが穢れる」
「穢れるって……。もう穢れてんだろ。大量に人を殺した呪詛師と俺やこいつらの手で抱かれた呪術師。……が初めてじゃなかったのは悔しいけど、それでも抱いた数なら俺の方が上じゃねえの?」
伊地知からは茂木は真面目な好青年って聞いていたけど、それは上っ面だけか。
なるほど、これがオマエの本性か。
「俺だけがを救える。俺だけがアイツを愛してあげられる。あんたなんかよりずっとな」
「汚え口開くなっつったろ?はオマエのもんじゃない。アイツは俺のもんだ。俺のに手を出したんだ。わかってるよな?」
ヤクザさながらの高圧的な態度でこいつらを睨む。
脅えた瞳とぶつかるが、言ったろ。
殺しはしない、だけど社会的に抹消してやるって。
「領域展開」
たった数秒の展開。
だけどそれで充分。
こいつらは廃人になり後遺症が残る。
彼等の脳には約5~6年分の情報量が流し込まれるんじゃないだろうか。
気を失い、目が覚めるのは数十年後かもしれない。
まぁ、目が覚めたところで自我があるかどうかは分からないけど。
何もできずに何も分からずに何も感じないまま、死ね。
「"無量空処"」