第23章 本音
「お待たせ~。待ちくたびれちゃったかな?」
軽薄な声色で、いつもと変わらない足取りで独房へと歩く。
拘束されている5人は僕を見て青ざめ、震えている。
うんうん、僕に何をされるのか分からなくて脅えてるんだね。
でも、はもっと怖い思いをして辛い思いをしたんだ。
オマエらが怖がる筋合い、ないだろ。
「安心しなよ。君達を殺しはしないから。殺したら僕は呪詛師になっちゃうからね」
「………」
「ただ、社会的抹消と一人では生活が送れなくなるかもしれないってことだけは念頭に入れといてね」
「……ち、違うんです。五条さん!!僕は、茂木に誘われて、無理やりあの場に……」
「お、俺もです!!俺は、あんなことしたくなかったのに……」
命乞いをするクソどもは罪の擦り付け合いを始めた。
その言葉に僕が耳を貸すとでも思っている辺り、バカだよね。
涙を流しながら懇願する姿は、間抜けだ
思い切り檻を蹴りつければ、金属の音が大きく響いた。
その音にクズどもは身体をびくつかせる。
「無理やりだろうが何だろうが、あいつをレイプしたのは事実だろう。それに、こっちはもうわかってんだよ。オマエらがにどんなことをしたのか。……なに泣いてんの?オマエらが泣く意味はなに?泣けば許されるって?それで許されんのは子供と女だけだからな。それに、一番泣きたいのはオマエらじゃない。だ」
「……そういう五条さんは……」
「あ?」
「そういう五条さんは、を泣かせたことがないって断言できるんですか」
今まで怯えていた茂木が僕を睨む。
何勝手にを呼び捨てにしてんだ、コイツ。