第23章 本音
リストファイルをパラパラとめくりるは、「こいつとこいつ……。……こいつもいたな……。あ、あとこいつもだ」と指を差して呟き、暫くリストと睨めっこしている。
「うん、間違いない。こいつらだ」
「何がだ?私たちは何もわかってないけど」
「昨日私をレイプした奴ら。補助監督だって言ってたから」
二度目の衝撃。
僕も硝子も事情を知らない伊地知でさえも言葉を失った。
茂木以外の奴にも抱かれたってこと?
なんだよ、それ。
任務が終わって大怪我をして、それで手首を拘束されて身動きできない状態で、は5人の男に無理やりやられたって?
怒りを抑えるために握った掌からは血が滲んだ。
「伊地知、すぐに京都校にも連絡してこの二人を拘束するように言って」
「は、はい!!」
「この二人は東京校だから今すぐに拘束」
「わかりました!!」
電話を掛けるために医務室の外へと出る伊地知。
僕も僕で後の二人を捕まえて色々話を聞かないと。
「少し席を外すけど、また来るから。今はゆっくり休みな」
彼女の頭を撫でようと手を伸ばしたら、拒絶するかのようにその身体は大きく脅える。
この反応からが味わった苦痛がどのくらいのものだったのか痛感した。
だから優しく、安心させるために、彼女の頭に手を置いてくしゃりと撫でた。