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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第23章 本音








真希と野薔薇には教室に戻るように言った。
授業は始まっている上、同級生が二人来ていないとなると変に怪しまれる可能性がある。
とは言っても、二人はなかなかその場を動こうとしなかった。
だが、が「私は大丈夫だ。嘘じゃねえから、行けよ。他の奴らに心配かけんな」って弱弱しい笑顔を見せたおかげなのかなんなのか、渋々と言った様子で歩き出す。
どこまでもオマエは化け物みたいな優しさを持ち合わせているんだな。
その優しさに僕は甘えすぎていたんだ。

「わかってると思うけど、他の奴には言うなよ」
「言いませんよ、こんなこと。言えるわけない」

医務室を出る前、硝子が真希と野薔薇に口止めをしていた。
しなくても彼女たちは言わないと思うけど。
唇を噛んで泣くのを我慢している野薔薇がそれを物語っているから。
彼女も自分の非力さを悔んでるのがわかって、安心したのと同時に胸が痛む。
僕もあの時、こうすればよかったのかって。
ガラにも無く過去の事を後悔してしまって。

二人が医務室を出ていくのを見送っていたら、小さな声が飛んできた。
その声がだって分かるのに時間はいらない。

「どうしたの?」
「あのさ……私のこと……軽蔑したか?」
「するわけないだろ?どうしてそんなこと思うの」

僕がオマエを軽蔑することなんて絶対にない。
むしろ僕が軽蔑される方だ。
それなのに、彼女はふにゃりと笑った「よかった」と。
ゆっくりと彼女に近づいて、傷ついた体を抱きしめようとした時、医務室のドアがノックされた。




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