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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第3章 受胎






「……僕さ、なんとなくあの子の気持ち、わかる気がする」

憂太が静かに小さくそう零す。

「いろんな人にたくさん責められ続けてきたと思うし、自分でも責めたと思う。誰かが傷つくたびに」

特級過呪怨霊の祈本里香を呪い、たくさんの人間を傷付けてきた憂太だからこそわかるあいつの気持ち。
あいつ自身も罪の意識を持っていたのかもしれないと憂太は言う。
兄がやったことに対しての罪の意識。
身内だからこそ尚更、それは大きいのではないかと。

「五条先生を殺されるのは困るけど、多分その辺はうまくやるんじゃないかな」
「まぁ、悟だしな」
「しゃけ」
「………はぁ、あとで謝らねえとな」

犯罪者の妹、というその肩書だけで私たちはあいつの全てを決めつけていた。
自分たちの愚かさに反吐が出そうになる。

私だって似たようなもんだろ。
禪院家に生まれながらも相伝術式を受け継ぐことなく、雑用が嫌であの家を飛び出した。
才能だけで全てを決めつけるあの家が嫌だったのに、私は私が嫌いだと思ったことと同じことをしてしまった。
蛙の子は蛙と言ったが、その言葉は私自身にも向けられているじゃねえか。

「とりあえず戻って謝ってくるわ」
「僕たちも一緒に行くよ」
「そうだな」
「しゃけしゃけ」
「いや、私だけでいい。2人きりでちゃんと話あいたい」

3人の好意を断り、私はあいつの部屋へと向かったのだった。




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