第20章 幸福
五条悟に会えたことで気が緩んでいた。
私が今どんな状況に置かれているのか思い出し、それを告げる。
すると、五条悟の眉が一瞬だけ動きそして私の後ろへと目をやった。
五条悟の視線を追いかけ後ろを振り向くと、特級2体がこちらへと向かってくる。
「、悪いけどここから離れて」
「でも……」
「いいから」
有無を言わさず、五条悟はそう言った。
確かに私は特級を相手にするほどの力はない。
五条悟の足を引っ張るくらいならこの場から離れたほうが得策なのかもしれない。
でも、それでも……私は、オマエの力になりたいのに。
掌を握りしめ、私は五条悟の言う事を聞いた。
アイツなら一人で簡単に特級を祓う事ができる。
そしてお兄ちゃんも。
遠いなぁ……。
私の目標とする人の背中はどこまでも遠い。
いつ隣に立つことができるんだろう、許されるんだろう。
自分の力のなさを嘆き、私は五条悟に背を向け走り出した。
その直後。
ドン!!
という衝撃音と共に、私の目の前に何かが飛んで落ちた。