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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第20章 幸福







正直、イギリスという街でこのデカイ男二人組は絵になる。
見惚れてしまった自分が悔しい。
怪しさ満載なのに。

なかなかナンパから戻ってこない二人にとうとう私が痺れを切らした。

「飯を食いに行きます!!それでは!!」

腹が減って死にそうだ。
なんでもいいから口の中に物を詰め込みたい。

ぐぅ~と先ほどから主張しまくる私の腹の虫。
カフェがあればそこに入って軽食を取りたい。
そう思って歩き出したら、大人二人組が戻ってきた。

「単体行動は危険です」
「僕から離れないでって言ったよね?」
「だったら早く戻って来いよ。久しぶりにナンパされたからって浮かれてんじゃねえぞ」

二人に挟まれた状態で文句を垂れる私に、大人たちはなぜか分からないけど小さく笑みを零していた。

その後、3人で近場のカフェに入りモーニングセットを食べる。
私の分は五条悟が払ってくれると言うからただ飯である。

モーニングセットのパンとコーヒーを食しながら、疑問に思った事を口にした。

「"幸福"がどういう奴なのかってのは正直まだピンときてないけどさ。結局どうしたらいいんだ?」

また意味深な間が生まれる。
五条悟は、砂糖をふんだんに遠慮なしにぶち込んだコーヒーとも言えない飲み物を口に含み言った。

「"幸福"は僕たちを幸せにしようとやってくる。どういう姿をしているのかは……遭遇してみればわかる」

随分と濁すじゃん。
遇えばすぐに"幸福"だとわかる姿をしているっていうことか。

「"幸福"にはなんの邪心もありません。ただただ、私達を幸せにしたいと望んでいるだけです。そしてそれを与えてくれる」
「僕からのアドバイスは、その誘惑に負けないでってとこかな」

小さく笑みを零す五条悟は、甘いコーヒーを飲み干した。
まるで雲を掴むような話だ。





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