第16章 野球
さて。
京都校のピッチャーは一体誰だろうか。
マウンドの方へと視線を向けると、そこにはピッチングマシーンが置いてあった。
「ちょっっっと待て!!!」
野薔薇は思い切り地面にバットを投げ捨てた。
「どう見てもピッチングマシーンだろーが!!」
「釘崎がキレた!!乱闘だぁ!!」
マウンドに集まる両校の選手。
野薔薇を羽交い絞めにするパンダに、キレる釘崎をなだめる三輪霞。
この人、いい人過ぎないか?
私達のこと、心配してくれてるよ。
「野薔薇落ち着け」
「落ち着けるわけないでしょうが!!なんでピッチングマシーンが投手なのよ‼」
「何言ってるの?」
ギャーギャー騒ぐ野薔薇の耳に、ナチュラルボーン煽リストであるぜんまいちゃんの声が届いた。
「スペアよ。スペアメカ丸。そっちのパンダが一昨日壊したんだから当然でしょ?ピッ……チング、マシーン?よく分からないわ。あなた機械詳しいのね。もしかしてオタク?」
「次から次へとよくもまぁ……」
流石、ナチュラルボーン煽リストなだけある。
スラスラとなぜあんなに煽る言葉が生まれてくるのか。