第16章 野球
「2番外野手、伏黒恵。人数不足だから外野手1人だけ呪術使用できるんだと。だろ」
「うん。そうだよ」
「ということで、お前の玉犬の出番だ」
伏黒は器用な人間だから、野薔薇を塁に進めてくれるだろう。
もし野薔薇が出塁できなかったとしても、代わりに出塁してチャンスを広げてくれるだろうし。
まぁ、こんな事言ってるけど、デカイの狙ってくれるならそれはそれでありだ。
伏黒自身が果たしてやってくれるかどうかが問題だが。
これは賭けだな。
「3番ファースト、パンダ」
「お、俺ファーストだ~」
「ファーストは簡単なポジションだって思われがちだが、そんな事ねえからな。ミスが許されないポジションだし、守備ではかなり重要な役割だからな。それをお前に任せる。お前にしかできないからな」
「わお。期待されてるよ」
「こんなガチな滅多に見ないぞ」
パンダを3番にしたのは、これだけデカイ身体なんだ。
一番ヒットを打てるだろう。
もし仮に、1番と2番がアウトになってしまったとしても、長打を打ってチャンスを作ってくれるはずだ。