第16章 野球
そこに書かれていたのは。
「「や……野球ぅ~~~⁉」」
いつの間に虎杖の後ろにいたのか、夜蛾と楽厳寺のジジイが素っ頓狂な声を上げた。
ああ、こいつらを見るに箱の中身をすり替えたのは五条悟なんだな。
案の定、夜蛾が五条悟の名前を呼んで怒ってるし。
どこまでも自由かよ。
だけど、野球か。
これはちょっと私も本気を出さねえといけないな。
私は急いで部屋に戻り、大事にしまってあるユニフォームに着替え再びあの場所へと戻る。
「、なにその恰好……」
「みりゃわかんだろ。千葉ロッテのユニフォームだよ。レプリカだけどな」
「夏油、あんた……」
「なんだよ、庵歌姫。何か文句あるのか」
「ふっ。負けられない戦いが、ここにあるわね!!」
「……まさか、オマエ……」
「そうよ。私は埼玉西武ライオンズのファンよ‼」
ワナワナ震える私に、庵歌姫もまた私を見据える。
成程。
ここにも負けられないものがあるのか……。
「いいだろう、勝負だ。今回は敗けねえぞ」
「去年は開催されなかったから、実質この戦いが西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズの試合ってことになるわね」
「そう言うことになるな。勝ち越しはさせねえ。今回勝つのはマリーンズだ!!」
こうして、私達の戦いの火蓋が切られた。