第16章 野球
次の日。
私達は朝から応接間に集合していた。
招集されたのはきっと交流会のことと今回の件についてを報告するためだろう。
みんなが集まっているのを確認すると、五条悟は口を開いた。
だけど詳しい事は話してくれなかった。
人が何人か死んだことと、襲ってきた特級呪霊のことを軽く話されたくらい。
それ以上はまだ調査中だと言わんばかりに、何も言わなかった。
なにか引っかかったけど、学生である自分たちが何かできるわけでもないから口を挟むことはしなかった。
「っつーわけでさ。色々あったし人も死んでるけど、どうする?続ける?交流会」
続けるって言っても……。
こんな状況で交流会を続けてもいいのか、その判断を私達に任せてもいいのか。
どうしようかと悩む私の耳に、東堂の声が聞こえた。
「当然。続けるに決まっているだろう」
脅える虎杖は五条悟の近くへと寄っていく。
昨日散々追い回されたせいで、苦手意識が植え付けられたらしい。
だけどそんな事気にする素振りも見せない東堂。
メンタル面馬鹿強すぎないか。
「その心は?」
「1つ。故人を偲ぶのは当人と縁のある者達の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない。2つ。人死にが出たのならば、尚更俺達に求められるのは強くなることだ」
東堂は続ける。
後天的強さとは"結果"の積み重ねである事。
敗北を噛みしめ勝利を味わうことで、自分たちは成長する。
"結果"は"結果"として在ることが一番重要なのだと。