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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第14章 明日







「夏油さん、そろそろ着くっス」

新田明の声に、ゆっくりと目を開ける。
ふと窓の外を見れば、本格的に雨が降り出したようで車の窓には雨粒がぶつかっては流れる。

スマホを開き虎杖から何か返事が来ていないか確かめると、映画館の中にいるらしく、五条悟から私も一緒に任務に当たる旨を聞いていたようだ。
少しだけ虎杖の声が暗かったのが気になった。
何か、あったのか。

私は車を降りて、言われた場所へと足を運ぶ。
そこは従業員などが休憩するような部屋で、扉を開ければソファに座っていた虎杖が私を見て、「お疲れ」と声をかけてくれた。
向かいのソファには金髪のスーツを着た男がいて、引率の呪術師だと言うことが伺える。

「貴女が夏油さんですね。五条さんからお話は伺っています。七海建人です」

そう言って男は手を差し出してきた。
その手を握ろうか一瞬悩んだが、私は軽くその手を握った。
話を聞く限り、こいつは高専時代の五条悟の後輩らしい。
と言う事はお兄ちゃんの事も知っているだろう。
それでも口にしないのは、表情に出さないのは、コイツが思ったよりもしっかりとした大人だからに違いない。

「で、何かあったのか」

挨拶をし終わった私は、虎杖にそう聞いた。
さっきから様子のおかしい虎杖。
すると七海がスマホで撮った写真を見せてきた。

写真に写っているのは人間の腕とその腕に巻かれた腕時計。
その周りには赤い血が広がっている。
え、なに、こいつら人間を殺したのか。

そう思って顔をあげて二人を見る。

「家入さん曰く、元人間です」
「元、人間……?」

七海の言っている意味がわからずに、眉間に皺を寄せる。
どうやら、呪霊だと思って戦っていたのは形を変えられた人間だと言う。
映画館で遺体となって見つかった高校生3人と同じで、呪術で身体の形を無理矢理変えられているとの報告が先ほど家入硝子から七海たちに伝えられた。





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