第5章 特級
二人で部屋を出て待ち合わせ場所の学校の門へと向かう。
門の前では虎杖と伏黒が何かを話していて、声を掛ければ大きく手を振る虎杖と、欠伸をする伏黒が対照的だった。
「二人お揃いじゃん!!」
「かわいいでしょ」
「俺達もそろえればよかったな」
「なんでだよ」
「じゃあ今度遊びに言った時みんなでお揃いのやつ買おうよ」
「いや、今から夢の国に行くんだからそこでお揃いのやつ買えばいいんじゃねえの?」
私の発言に目から鱗とでも言わんばかりに、目を丸くする三人。
なんでそんな目で私を見るんだよ。
「まさか夏油の方から言ってくるなんて思わなかった」
「ね。どっか達観してるからそういうの嫌いなのかと思ったわ」
「嫌いだったら夢の国行きたいなんて言わないだろ」
「夏油のそういうところ可愛くていいと思う」
「褒めても何も出ねえよ」
虎杖がぐっと親指を立てる。
釘崎にいたっては胸を抑えて悶絶している。
「雰囲気変わったよな夏油」
「そんなことない。けど、こんな風に誰かと遊ぶだなんてことなかったから、少し浮かれているのは認める」
「……やっぱ変わったよ、お前」
ふっと優しく微笑む伏黒。
お前そんな風に笑えたんだな、なんて思いながら私たち4人は千葉県にある夢と希望溢れるテーマパークへと向かったのだった。