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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第5章 特級






――夏油side――




目が覚めたら、そこは自分の部屋ではなかった。
だけど知っている場所。
五条悟のセーフハウス。

"そういう行為"をするためだけの部屋。

なんで私はここにいるんだ。
伊地知さんの車で寝ていた事だけは覚えているけど、その後は覚えてない。
起き上がろうとしたが、できなかった。

背中から感じる違和感。
私は五条悟に抱きしめられていた。
頭上から聞こえる規則正しい寝息に、腰と足に絡まる男の腕と脚。
がっちりとホールドされ身動き一つできない。
男の腕にすっぽりと収まる形で、私はずっと寝ていたのか。

もぞもぞと動けば、離すまいという意思を感じるほどにぎゅっと力がこもる。
触れられている箇所が熱くて、嫌でもこの部屋でしたことを思い出してしまって、居心地が悪い。

無理やり腕の中から抜け出して、ベッドから降りればその腕を取られた。
振りむくと、五条悟がうっすらと目を開けていた。

「離せ」
「……どこ行くの」
「どこだっていいだろ。離せって」
「やだ」
「子供かよ」

寝起きの低い声が夜の寝室に響く。
じんわりと掴まれた腕が熱を宿す。

熱い。

「行くな」
「……五条悟?」
「どこにも行くな。……傑」

寝ぼけているのか、五条悟は私の名前ではなく兄の名を呼んだ。



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