第4章 対面
――夏油side――
私は五条悟に電話で呼び出され、男子寮へと向かった。
なぜに男子寮。
欠伸を零しながら、そこへ向かうと、知らない男が一人いた。
いや、知ってる。
昨日の写メに写ってた男だ。
「昨日、特級呪物を飲み込んだ虎杖悠仁君です!!はい拍手~」
「なにが?全然事態を把握してないンだけど」
「先生、省きすぎです」
特級呪物を飲み込んだ?
え、え……?
何言ってんだ。
混乱している中、伏黒が昨日の出来事を話してくれた。
どうやらこの虎杖とかいう男は、ボロボロになった伏黒を助けるために、特級呪物の宿儺の指を食ったらしい。
「味音痴かよ。食わず嫌い王決定戦で優勝できるぞ」
「え、そう?」
「褒めてねえよ」
嬉しそうな顔をする虎杖は、頭が弱いのか。
「てか、名前まだ教えてもらってないんだけど。あんたの」
「夏油」
「よろしくな夏油」
手を差し出された。
私は一瞬躊躇してしまう。
さっきも今も思ったけど。
この虎杖ってやつ。
どこまでも善人だな。
根っからのいい奴オーラがビシビシ放たれてる。