第3章 受胎
これ以上何を言っても意味がないだろう。
私は全ての事を五条に任せることにした。
得体のしれない呪いを愛した夏油も私にとっては猟奇的で怖い存在だが、五条は別格だ。
頭のネジが一本どころか全部抜けているんじゃないか。
「傑も呪霊を取り込んでたけど、妹まで取り込むとかおもしろくない?そこまで似ちゃうのかって思っちゃった」
「冗談でも笑えない」
「ははは。僕は笑っちゃう」
デリカシーがないと言う問題ではないような気がしてきた。
昔から変わらずこいつはずっとクズだな。
頭のイカレている最強な男は、解呪方法を知って満足したのか椅子から立ち上がる。
きっと夏油の所に行くんだろう。
その背中に私は声をかけた。
「五条」
「なに?」
「解呪方法は確かに体液だが、ちゃんと愛してやれよ。演技でもいいから」
「……それ必要?」
「ああ」
部屋を出ようとした五条は再び椅子に腰を掛ける。
詳しく話せと言う事だろう。