第3章 受胎
新幹線に乗り込みすぐに私は目を閉じた。
寝てしまえば、すり減った精神も次に目を覚ました時にはだいぶマシになっているだろうと思ったから。
だけど、東京駅に着いた後も高専に戻った後も。
私の具合の悪さは良くなるどころかいっそう増した。
「、おかえり……って、どうしたの。顔青いよ?」
教室に戻れば、なぜか五条悟がいた。
もう外は真っ暗なのに、なんでいるんだ。
家に帰れよ。
「なんでもない。触んな」
「本当?報告書は明日でいいよ。今日は帰って休みな」
「うるさい。私のやることにいちいち口出しすんな」
今は喋ることですら億劫だ。
黙っていてくれないだろうか。
報告書を書こうとペンを取ったが、やる気も何も起きなくて、机に突っ伏した。
「もしかして疲れた?群馬からの日帰りだもんね」
「ん……」
「報告書はいいよ。戻りな」
流石にこの状態で報告書なんて書けない。
五条悟の言葉に頷いて、私は椅子から立ち上がった。