第31章 契約破棄
優さんを間に挟んだ状態で、蜂楽が私の顔を見てニカッと笑った。
「良かったね!夢ちゃんは、ずーーっと俺ん家にいていいんだよ♪」
優さんが、私と蜂楽の肩を自分側にグッと寄せた。
ギュッとくっつくと、ギリ全員がフレームインする。
『……夢。今の蜂楽さんの言葉で確信が持てた。
お前の現在も、未来も。
だからこれからも好きな道を選びなさい。
お前が、信じられる道を。』
お父さん……ありがとう。
私のこと、信じてくれて嬉しいよ。
『それから、蜂楽くん。』
「にゃは、俺?」
不意に蜂楽を呼ぶ父。
何の話なのか、ちょっぴり緊張する。
『ありがとう。夢はどうやら、君に夢中のようだよ。』
「うん、知ってる!俺もだし♪」
「コラ、廻…!」
THE・蜂楽な返しに、可愛くて笑ってしまう。
仲良し親子感が溢れる優さんの突っ込みも好き。
『君に出逢えて、夢は変われた。
夢の可能性を潰してた立場で、言えることじゃないが…。』
お父さんは……ほのかに微笑んだ。
『夢と、これからも一緒にいてやってくれ。
よろしくな。』
「承知つかまつった!!」
“嬉しい時には泣けばいーじゃん!夢ちゃんが俺に言ったんだよ♪”
色々な感情が交錯する。
だって、こんなに幸せだから……
だって、もうすぐ合宿だから……
何故か、蜂楽が遠い人になっちゃうような気がして。
目頭に滲んだものが……
嬉しい涙なのか、寂しい涙なのか。
解らなくなっちゃった。