第31章 契約破棄
「そんな時、夢ちゃんはどんな方にもきめ細やかに対応してくれて…本来私がやるべきことなのに、本当に助けられたんです。
外国人のお客さんにも、物怖じせず英語で対応してくれました。
夢ちゃんは冷静沈着で、機転が利いて、
とても賢い娘さんです…!
明確な目標を持ち、それに向かって努力を惜しまない情熱的な面もあって…
その両極は、デザイナーとしての才に満ちてます!」
優さん、そんな風に思ってくれてたんだ……。
「そんな夢ちゃんが、私は大好きです!
おこがましいようだけど、大切な“娘”です!
勿論、息子の恋人としてもとても素敵な女の子です。
だから、今後とも……娘さんをお借りします!」
───なにこれ……嬉しすぎるよ。
憧れの人から、こんな言葉を貰えるなんて。
優さん……ありがとう。
本当の“お母さん”に……やっと会えた───。
『そうですか、娘が…。知りませんでした、お恥ずかしい限りです。』
父は画面の中で、顔を綻ばせた。
『……蜂楽さん、ありがとう。あなたは素晴らしい“母親”です。
夢のこと、これからもよろしくお願いします。』