第15章 day11 切島鋭児郎
切島side
先生の小さな身体を背中に隠す
少し触れた肌は熱く
浅く呼吸を繰り返している
きっと先生がかかっている個性が強く出始める頃だ
『そんなっ‥まだ無理しちゃ‥』
「好きな人1人守れねー奴は男じゃねぇ!!」
「おお〜頼もしいなぁ‥でもガキはそろそろおうちに帰ってネンネする時間やで?大人の時間、邪魔せんといてもらおか」
隠し持っていたナイフの刃先をこっちに向けて走ってくるヴィランに
身体の硬化をさらに上げていく
『ダメっ‥!!切島くんっ!』
「そんなナイフじゃ俺の身体は傷つかねぇ!」
『ーっ!』
左手で先生を後ろに隠したまま
右手の拳でナイフを受け止める
固い金属音が鳴り響いて
後ろでヒーリングガールが息を呑んだ
「は‥?!なんでナイフが折れてんねん?!」
ヴィランが一瞬動揺した隙をみて
そいつの両手を掴むと同時に
先生が腰につけていた小さなカバンから捕縛布を取り出してあっという間にヴィランの身体を拘束した
「切島くんっ!ちゃん大丈夫かっ?!‥‥ってさすがやな!!他のヒーローからの連絡聞いて慌てて警察から帰ってきたけど必要なかったみたいやな」
慌てた様子で駆け込んできたファットが俺たちを見てホッと胸を撫で下ろす
『ファットさん‥すみません‥‥』
「おっと‥」
ホッとして力が抜けたのか
倒れそうになる先生をファットが抱き止める
今まで俺達に心配かけねぇように振る舞ってたのか
力の抜けた身体は苦しそうに肩を上下させて熱っぽい吐息を溢す
『はぁ‥っ‥はぁ‥‥』
「身体あっついな‥‥こんななるまで無理させてごめんな」
『全然‥大丈夫ですっ‥!』
「俺の前でまで無理せんでええよ‥事情は聞いとる‥ホテル用意してあるから、あとは切島くん 頼んだで」
「は‥はいっ!!」
「ええ返事や!ほな、タクシー呼んであるからもう行き!」
ニカっと笑ってホテルのルームキーを先生の白衣のポケットにしまい込んだ
『ありがとう‥ございましたっ‥』
「それはこっちのセリフや!二人ともほんまありがとうな!」