第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「大切なことだよ。つまんない人生を送っちゃだめだ」
「俺の人生はつまらなくないぞ」
「葵は今なんの仕事をしているんだい?」
「仕事自体は確かにつまらん。だが、副業……そっちの方が楽しくてな」
ふふん、とどこか誇らし気な東堂。
副業を始めたとはいったい何を始めたのか。
4人は東堂の次に出る言葉を待っていた。
たっぷりと、もったいぶるかのように。
東堂はゆっくりと口を開いた。
「役者、だ」
役者……。
役者とはあれか。舞台やテレビ、映画などで演技をする人のことだろうか。
ほわんほわんと4人の脳内では、演技をする東堂の姿が描かれる。想像できるようでできない。
できないようでできる。
このどうにもはっきりとしない感覚に、思わず五条と夏油は笑った。
「役者ってお前!!」
「あははははっ!!」
「何も笑う事ないだろ~」
唇をすぼめて拗ねた顔をする東堂。
その隣に座る伏黒は静かに肩を震わせて笑っていた。
どうやら東堂が演技をする姿を想像して時間差攻撃をくらったらしい。
「よくないぞ、東堂」
「なんだ、マイブラザー」
「一度きりの人生無駄にすんなって。ちゃんと真面目に生きないと、今からちゃんとしておかないと、年を取った時大変だぞ」
東堂は腕を組んで虎杖を見つめる。
その言葉はさんざん周りから言われてきた言葉。
だから「わかっている」と答えた。