第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「傑はねぇ、今、支店長さんなのっ!!」
「なんで君がいうんだよ……」
「えっ、支店長なの夏油!?」
「そんなこと言ったら恵だってすごいだろ、社長さんだろ今」
「えっ!?恵社長なの⁉僕それ知らない!!100万円頂戴っ!!」
「あんたはボンボンだろっ!!!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ五条を黙らせて、伏黒は息を吐いた。
「別にすごくなんてない。結婚してしばらくしたら親父がどこかに蒸発したんだ。だから俺が親父の跡を引き継いだだけ」
「いやいや、立派なもんだよ」
「よっ、若社長!!」
「その呼び方やめろ……」
すぱん、と勢いよく伏黒は五条の頭をはたいた。
そんな彼らを見ながら東堂は満面の笑みを零しながら口を開いた。
「素晴らしいな、みんな。俺とは大違いだ」
「葵は?今何してるの」
「フリーターになって毎日ぶらぶらしている」
「仕事やめた……のか?」
「俺には、やはり会社勤めは合わなかったようだ」
「胸を張って言う事じゃないでしょう」
と言いながらもくすくすと笑う夏油。
そんな東堂に、今まで黙っていた虎杖がようやく口を開いた。
「だめだよ、東堂。仕事ってのは要領よくやらねえと」
虎杖は言った。
東堂はいつも全力投球をしすぎだと。
少しは力を抜いて、だけど決めるところ決めなければいけない、と。
虎杖らしからぬ発言に、4人は拍手をしながら「かっこいいこというねぇ」「虎杖らしくねえな」などと囃し立てる。
虎杖は目の前のグラスを軽く傾け、そしてテーブルに置いた。