【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第6章 ※恋愛のカタチ
「快人から沙良ちゃんに伝言があったんだ。遠藤さんの前で話していいのかわからなかったから、ちょうど良かった…」
『蓬莱さんからの…伝言…?』
何だろうか…
最後まで嫌われていた事だけは覚えている。
「…………」
十亀さんは私の顔から、上半身、更に下半身とじっくり目線を移す。
『……?十亀さん?』
「…綺麗な二重まぶたは小動物みたいに可愛い。
鼻筋が通っていて小鼻も小さい。唇は薄い、口も小さい。えらは張ってなくて丸顔。小顔で肌も白い。ほくろは少し…2つ…かな。」
『…?……?…十亀さん…?』
急に外見を褒めだし、訳がわからなくなる。
「髪…サラサラのストレート。天パでもない、薄くもないし多毛でもない。胸…ごめんねぇ、俺、服の上からでも胸のサイズ当てるのが特技でさ。んー…Cと見せかけてDかな。
着やせするよね、沙良ちゃんて。」
『っ…十亀さん…あの…どうしたんですか…?』
胸のサイズを当てられ、動揺してしまう。
十亀さんにそんな特技があるなんて…どうやって身につけたのだろう…?
十亀さんはその後も、褒めるのを全然止めない。
「勿論太ってないし、痩せすぎてもない。手足も手指も長い。爪も綺麗だ。じゃあ何だ…?耳…たぶは薄い。ピアスのしやすそうな耳たぶだよね。眉…普通だよな。何…?どこ…?」
十亀さんは眉をしかめ、手を顎に当てる。
『十亀さん、何ですか…?!』
自分自身が眉をしかめ、早く言ってほしいとばかりに詰め寄る。
すると十亀さんは徐ろに名刺を出し、机の上に置いた。
『これは………?』
机には誰もが知る、全国展開している有名な美容整形クリニックの名前と、人物名が印字されている。
「裏、見て。」
言われた通り名刺を裏返すと…
『えっ……これって…』
"遠藤沙良という人間が来たら相談に乗ってやってほしい。俺の知り合いだ。快人"
「その人は品川にあるクリニックの院長で、快人のおじさんだって。」
『そう…だったんですね…』
すぐにわかった。
蓬莱さんが私の痣を気にかけてくれた事。
「それで?どこ直したいの?沙良ちゃん。
直すとこなんてないじゃん。」
『ふふっ…そうですね……
Dカップじゃ足りないので、Fカップくらいにしてもらおうかな、って…』
「え……?」
驚いて固まる十亀さん。